個別発明者・正確なレバント伝播年の特定は未確定
縦型回転串の発明をブルサのトルコ人肉屋İskender Efendi個人(1850s〜1867・年も諸説)に帰す逸話は広く流布するが一次史料の裏付けは弱く『創られた起源譚』の性格を持つ。James Robertsonが1855年イスタンブールで撮った現存最古のdöner写真には既に親方+徒弟を伴う縦型回転串の露店が写り、技法は1867年の発明帰属より前に複数都市へ拡散済み=発明者個人帰属とは矛盾する。技法がオスマン中核からレバント各地へ広がった正確な年代も史料で一点に定まらず19世紀後半という幅でのみ言える。ジャンル(回転焼肉)の古さは否定しない(水平回転は17C遡及・垂直は19C半ばまでに導入=Isin2018)が、レバント版shawarmaの現行形成立下限は縦型回転ロースター技法の普及(19C後半)が縛る。
史料が支える説オスマン縦型回転串(ドネル)のレバント派生説
薄切り肉を縦軸の串に積層し回転焼きする技法は19世紀オスマン帝国でドネルケバブとして成立し、シリア・レバノン・ヨルダン等レバントで採用されアラビア語shawarma(トルコ語çevirme『回転』に由来)と呼ばれた。1895年Spiroのエジプト・アラビア語辞書にšāwirmaが記載され19世紀の存在が確認できる。ギリシャのギロも同じドネル技法の派生。
出典:What is doner kebab and where to eat it (National Geographic)重み2