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ドーナツ 時期 B起源説 C検証済

確度は2軸: 時期=成立時期の固さ/起源説=発祥譚(説)の固さ(A〜Dの4段階・別々に持つ)。確度とは?→

暴かれた通説あり出典で反証された通説を抱える料理です(真の起源は未確定のことが多い)。

米国 ・ 19世紀(オランダ系オリクック継承・文献初出1809 Irving/リング形は19C半ば) ・ 成立年代 1809–1850 ・ 主役食材 小麦粉

記章(DB由来の作図・装飾/監修・認証ではない)|起源説確度C・検証済C記章(DB由来の作図・装飾)

穴のあいたドーナツは、19世紀半ばにメイン州の船長ハンソン・グレゴリーが船の上で発明したという話が広く語られる。だが根拠は本人の後年の回想と地元の記念碑だけで、しかも中身の食い違う二つの逸話が並び立つ。ドーナツそのものの出自は、この穴の伝説よりずっと古く、オランダ移民の揚げ菓子にさかのぼる。

検証ハイライト 俗説 → 判定 → 根拠

主な説
ドーナツはオランダ移民がニューアムステルダム(現ニューヨーク)に持ち込んだ olykoek(oil-cake=豚脂で揚げた甘い生地玉)に遡る。W…
判定
諸説あり(対立説を併記)
主な根拠
支持Washington Irving, Knickerbocker's History of New York (A History of New York, 1809) — Project Gutenberg 全文。『an enormous dish of balls of sweetened dough, fried in hog's fat, and called dough-nuts, or oly koeks』=英語圏における doughnut 語の文献初出(TAQ 1809)重み5 None網羅リスト代表出典: CNN Travel「World food: 50 best dishes」(網羅リスト取り込み時の共有代表出典・19料理が参照)重み2

史料が示すこと: ドーナツはオランダ移民がニューアムステルダム(現ニューヨーク)に持ち込んだ olykoek(oil-cake=豚脂で揚げた甘い生地玉)に遡る。Washington Irving『A History of New York』(1809)が『an enormous dish of balls of sweetened dough, fried in hog's fat, and called dough-nuts, or oly koeks』と記録=英語圏における doughnut 語の文献初出で、当時すでにオランダ系家庭の慣習菓子として存在した。名称(dough+nut)・系譜ともオランダ揚げ菓…

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3ゲート

食材入手ゲート
小麦粉+油脂(豚脂/植物油)+砂糖(旧大陸・米国で長期定着=律速せず)
調理技術ゲート
揚げ(deep-fry)=オランダ式オリクックの技法。リング形は19C半ば
場ゲート
オランダ移民家庭→商業ベーカリー・WWI軍慰問(Salvation Army)で全米普及

成立年代と成立ゲート

主役食材の到来データが未登録(不明)のため、到来による下限(縦線)は表示していない。帯は成立年代を示す。

成立年代と成立ゲート成立 1809–185018011858

起源説

定説

オランダ系オリクック(olykoek)継承説 B

ドーナツはオランダ移民がニューアムステルダム(現ニューヨーク)に持ち込んだ olykoek(oil-cake=豚脂で揚げた甘い生地玉)に遡る。Washington Irving『A History of New York』(1809)が『an enormous dish of balls of sweetened dough, fried in hog's fat, and called dough-nuts, or oly koeks』と記録=英語圏における doughnut 語の文献初出で、当時すでにオランダ系家庭の慣習菓子として存在した。名称(dough+nut)・系譜ともオランダ揚げ菓子由来で食物史の定説。リング形は19C半ばに米国で普及。

解決済みopen

Hanson Gregoryが1847年にリング(穴)を発明した説 D

メイン州の船長 Hanson Gregory が16歳の1847年、ライム貿易船上で油っぽさと生焼けの中心を嫌いブリキの胡椒入れで生地中央に穴を開けたのがリングドーナツの起源、とする最も有名な逸話。別伝では夜の嵐で両手が必要になり操舵輪の握りにドーナツを刺したのが穴の始まり、ともいう。根拠は本人の後年の回想と地元の顕彰(記念プレート)のみで、同時代の独立した一次史料が無く、二つの矛盾する逸話が並立する=検証不能。リング形ドーナツの19C半ば米国での普及は否定しないが『Gregoryが穴を発明』という単一起源の主張は退ける。

解説

オランダ移民の揚げ菓子から

ドーナツのルーツは、オランダの揚げ菓子オリボーレン(オリクック、olie-koek=油の菓子)にある。豚脂で揚げた甘い生地玉で、オランダ移民が17世紀にニューアムステルダム(のちのニューヨーク)へ持ち込み、家庭の菓子として受け継がれた。

英語の文献にこの菓子が姿を見せる最も早い例は、ワシントン・アーヴィングの『ニューヨークの歴史』(1809年)である。そこには「豚脂で揚げた甘い生地玉を山盛りにした皿、それを dough-nuts, または oly koeks と呼ぶ」とある。名前そのものが生地(dough)と木の実大の塊(nut)を指しており、オランダの揚げ菓子から受け継いだ系譜がうかがえる。19世紀初めのアメリカで、ドーナツはすでにオランダ系家庭の慣れ親しんだ菓子だった。

中央に穴のあいた輪の形が広まったのは、19世紀半ばのアメリカである。それ以前の生地玉は、中心まで火が通りにくく油っぽくなりがちだった。輪にすれば全体に均一に火が通る。この実用的な利点が、輪の形を定着させていった。

検証ストーリー

穴の由来として語り継がれるのが、メイン州の船長ハンソン・グレゴリーの逸話である。1847年、16歳の彼はライム貿易の帆船に乗っていて、揚げ菓子の油っぽさと生焼けの中心が気に入らず、ブリキの胡椒入れで生地の真ん中に穴を開けた——これが輪型ドーナツの始まりだ、という筋書きだ。

ところが、同じグレゴリーをめぐって別の話も伝わる。ある夜の嵐で舵を取るのに両手が要り、とっさに操舵輪の握りへドーナツを刺したのが穴の起こりだ、というのである。二つの逸話は中身が食い違い、どちらを支える同時代の記録も残っていない。頼りになるのは本人の後年の回想と、地元に立つ記念碑だけである。

輪型のドーナツが19世紀半ばのアメリカで広まったことは確かだが、その穴をグレゴリーが一人で発明したという話は、独立した裏づけを欠く。一方、ドーナツがオランダ移民の揚げ菓子から受け継がれたことは、アーヴィングの1809年の記述をはじめとして食物史の定説になっている。有名な穴の発明譚と、確かな系譜とは、別の話なのである。

検証ログ 追記専用の監査証跡

日付結果確度主張 / 出典更新者
2026-07-15 None —→—
網羅リスト取り込み時の代表出典(研磨の出発点)
PDM
2026-07-16 支持 None→B polisher-1
2026-07-16 反証 None→D
Hanson Gregory 1847リング/穴発明説
polisher-1

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構成素材

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