食の「いつ・どこで・誰が」を、
出典で確かめる。
Meshinomy(メシノミー)は、料理がいつ成立したかを 3ゲート(食材入手/調理技術/場)・確度2軸・追記式の検証ログで 記録する、検証可能な「食の成立学」データベース。俗説も、その反証も読み物にする。
1731検証済
76食文化圏
6847出典
8003検証ログ
有名なのに、起源は一つではない
誰もが知る料理ほど、発祥には諸説がある。王妃命名説や三日月伝説のように 反証された「創られた伝統」も。俗説と判定を出典で確かめる。
検証ストーリー
俗説をどう検証し、何が分かったか。出典と検証ログでたどる読み物。
起源説 C
エッグ・ポーチ
インド(ビハール)七つの穴が並ぶ鉄鍋で丸く焼き上がる姿から、インド・ビハールの屋台の卵焼きは日本のたこ焼きに由来すると語られることがある。だが両者を結ぶ記録は見当たらず、鍋のほうは南インドで古くから使われてきたパニヤラム鍋である。
起源説 C
醤油
中国醤油は南宋(12〜13世紀)に生まれた、という話がある。「醬油」という語が文献に現れる最初の例が南宋の料理書だからだが、大豆を醸した醬から液を採って味つけに使う実体は、その700年ほど前の華北の台所にすでにあった。
起源説 C
グラニュラ
米国「世界初の朝食シリアルは1863年、ジャクソン医師が考案した」という有名な話には、その年を伝える同時代の記録がない。グラニュラの名が活字に現れるのは1876年の広告が最初で、同じ作り方を先に書き残していたのは、療養所の厨房を束ねた妻ルクリーシャだった。
起源説 C
中村屋純印度式カリー
日本・東京新宿中村屋の「純印度式カリー」は、1927年、喫茶部の開店と同じ日に売り出された、小麦粉のとろみに頼らずバターと香辛料で仕上げる一皿である。いまでは「日本初のインドカレー」の枕詞とともに語られるが、この最上級は報道の側の言い回しで、中村屋自身の商品史はそれを名乗っていない。
起源説 D
どじょう豆腐(地獄鍋)
日本熱がったどじょうが、冷たい豆腐のなかへ自分から潜り込む——地獄鍋という名の由来として語られてきたこの光景には、それを見たと記した同時代の記録がなく、伝えられた通りの条件では再現もされていない。
起源説 C
グラノーラ
米国「グラノーラは1863年に生まれた由緒ある健康食」という話が広く語られる。だが19世紀のグラニュラ(Granula)はグラハム小麦粉を焼いて砕いた硬い塊で、一晩牛乳に浸さなければ歯が立たない別の食べ物であり、しかもその1863年という年は、現地の歴史標識に刻まれてさえいない。