食文化圏 / 中東・北アフリカ

マグリブ料理の成立史

中東・北アフリカの食文化圏「マグリブ」に属する料理 5 品の成立史。 いつ・どこで成立したかを、3ゲート(食材入手/調理技術/場)・確度2軸・検証ログで根拠まで辿れます。

この食文化圏の指紋 DB由来のデータ集計(装飾でなく事実)

律速になりがちな食材成立を決めた律速食材として現れた回数(料理数)。

  • トマト2
  • タジン鍋(円錐土鍋)1
  • ヒヨコ豆1
  • 唐辛子1

食材が届いた経路律速食材の到来経路(channel)の傾向。在来=もとから現地にあった食材。

  • 新大陸交換3
  • 技術発明1

成立年代の分布成立年代の分布(最古 1100 年〜最新 1850 年)。

  • 中世2
  • 近世1
  • 近代2

起源説の確度起源説の固さ(A=構造的必然〜D=要検証)の内訳。C/D は諸説・反証ありの料理。

  • C C=諸説・通説5

所属する料理 5

  • 定番 クスクス マグリブ(北アフリカ) 1100–1400 時B説C

    クスクスは北アフリカのベルベル人に発する粒状の蒸し料理で、確実な文献初出は13世紀のマグリブ料理書にある。古代起源を唱える説もあるが、堅い下限を与えるのはこの中世の記録だ。

  • タジン モロッコ 1300–1600 時C説C

    タジンを成り立たせているのは、特定の食材ではなく、あの円錐形の土鍋そのものである。ベルベルの在来の煮込みを起源とする話と、料理名が中世東方アラブの文献に現れることを手がかりとする話とが並び立つ——鍋という器と、名という言葉が、それぞれ別の物語を抱えている。

  • ハリッサ チュニジア 1550–1700 時B説C

    チュニジアの食卓を真っ赤に染める唐辛子のペースト、ハリッサ。だがこの辛さは北アフリカに昔からあったものではない。大西洋の向こうから唐辛子が渡ってきて初めて生まれた、比較的新しい味である。

  • ハリラ モロッコ 1800–1900 時B説C

    ラマダンの日没後、モロッコの食卓を最初に満たすひと皿が、ヒヨコ豆とレンズ豆のとろりとしたスープ、ハリラである。古くからある豆のスープの系譜は中世にさかのぼるが、いまよく知られるトマト色のハリラは、それよりずっと新しい。

  • シャクシュカ 中東・北アフリカ 1850–1920 時A説C

    中東・北アフリカの定番シャクシュカは、トルコのşakşukaがオスマン経由でマグリブへ伝わった直系だという説がしばしば語られるが、学術研究はこれを退け、西地中海の野菜煮込み一族に連なるマグリブ土着の料理と位置づける。

← ほかの食文化圏を見る