食文化圏 / 西欧

フランス料理の成立史

西欧の食文化圏「フランス」に属する料理 7 品の成立史。 いつ・どこで成立したかを、3ゲート(食材入手/調理技術/場)・確度2軸・検証ログで根拠まで辿れます。

この食文化圏の指紋 DB由来のデータ集計(装飾でなく事実)

律速になりがちな食材成立を決めた律速食材として現れた回数(料理数)。

  • ジャガイモ2
  • チョコレート1
  • トマト1
  • パプリカ1
  • 地中海の雑魚・甲殻類1
  • 白インゲン豆1

食材が届いた経路律速食材の到来経路(channel)の傾向。在来=もとから現地にあった食材。

  • 新大陸交換4

成立年代の分布成立年代の分布(最古 1600 年〜最新 1981 年)。

  • 近世4
  • 近代1
  • 現代2

起源説の確度起源説の固さ(A=構造的必然〜D=要検証)の内訳。C/D は諸説・反証ありの料理。

  • C C=諸説・通説5
  • B B=学術定説1
  • D D=出典不明・単一・創られた伝統(要検証)1

所属する料理 7

  • 定番 ブイヤベース フランス・マルセイユ/プロヴァンス 1700–1900 時B説C

    マルセイユの漁師が売れ残りの雑魚を煮た浜の鍋が、サフランで黄金に輝く名物スープへと出世した。古代ギリシャ由来という雄大な物語もあるが、いま卓に並ぶ「黄金のスープ」が連なるのは、もっと近い時代の漁師の手鍋である。

  • 定番 フレンチフライ ベルギー/フランス 1775–1855 時B説C

    フランスとベルギーが「我が国こそ発祥」と争う細切りの揚げ芋。ベルギーが掲げる「17世紀から揚げていた」という起源譚は、肝心のジャガイモがまだその土地に根づいていなかったという一点で、年代が合わない。

  • 定番 ラタトゥイユ フランス・プロヴァンス(ニース) 1790–1900 時B説C

    夏野菜を油で煮込むだけの素朴なラタトゥイユだが、ニース近郊の農家で煮られていた寄せ煮と、いま私たちが思い描く彩りのよい野菜煮込みとは、同じ名でも別の段階にある。

  • 定番 クロワッサン フランス(パリ) 1830–1905 時B説D

    「1683年のウィーン包囲を記念して、オスマン軍の三日月旗にちなんだ三日月形パンが焼かれた」——クロワッサン最大の起源譚は、同時代の一次史料を一切欠く『創られた伝統』である。

  • 定番 ヴィシソワーズ フランス/米国(諸説) 1900–1920 時B説B

    冷たいポロネギとジャガイモのスープ、ヴィシソワーズ。フランス語の名と土地の名を背負いながら、この洗練された冷製ポタージュが生まれたのはパリでもヴィシーでもなく、大西洋の向こうのニューヨークだった。

  • 定番 フォンダンショコラ フランス 1981–1995 時B説C

    切ると中からチョコレートが流れ出す、あの温かい焼き菓子。誰が「発明」したのかは長く言い争われてきたが、記録をたどると最初の起点は一つの名前に絞られる。

  • カスレ フランス(ラングドック) 1600–1750 時B説C

    カスレは、白インゲン豆と豚肉・コンフィを土鍋で長時間煮込む、フランス南部ラングドックの郷土料理である。百年戦争でカステルノダリの住民がこの煮込みで英軍を撃退したという誇らしい発祥伝承が知られるが、その年の町は実際には英軍に焼き払われており、撃退の事実はない。

← ほかの食文化圏を見る