食文化圏 / オセアニア

オセアニア料理の成立史

オセアニアの食文化圏「オセアニア」に属する料理 37 品の成立史。 いつ・どこで成立したかを、3ゲート(食材入手/調理技術/場)・確度2軸・検証ログで根拠まで辿れます。

この食文化圏は拡充中です。掲載はまだ一部で、これから料理を追加していきます。

この食文化圏の指紋 DB由来のデータ集計(装飾でなく事実)

この圏に特徴的な食材全圏平均より偏って多く現れる律速食材(=この圏に特徴的な素材)。汎用食材は突出しないので外れます。

  • 全圏平均の約 31.15 倍・2 品で律速(=この圏で偏って多く使われる食材)。
  • 全圏平均の約 3.5 倍・3 品で律速(=この圏で偏って多く使われる食材)。
  • 全圏平均の約 1.87 倍・2 品で律速(=この圏で偏って多く使われる食材)。

成立年代の分布成立年代の分布(最古 前1000 年〜最新 2010 年)。

  • 先史・古代 4
  • 中世 4
  • 近世 2
  • 近代 11
  • 現代 16

食材は在来か外来か律速食材が在来(もとから現地にあった)か、外来(交易・開国・植民地交易などで届いた)かの比率。

在来 2 外来 16

所属する料理 37

  • 定番 ラミントン オーストラリア(クイーンズランド) 1895–1910 時B説C

    スポンジケーキをチョコレートにくぐらせ、ココナッツをまぶしたオーストラリアの定番菓子。誰が作ったのかは長く争われ、『もとはニュージーランドの〈ウェリントン〉という菓子だった』という話まで出回ったが、それは新聞のエイプリルフール記事から生まれた作り話である。

  • 定番 アンザックビスケット オーストラリア/ニュージーランド 1915–1925 時B説B

    戦地の兵士へ母や妻が焼いて送ったという心温まる逸話で知られるアンザックビスケット。だが、いま私たちが知るオーツとゴールデンシロップの菓子は大戦のあとに生まれたもので、感動的な戦争物語のほうが後から作られた「創られた伝統」である。

  • 定番 フェアリーブレッド オーストラリア/ニュージーランド 1920–1930 時C説C

    バターを塗った白パンに色とりどりの砂糖粒を散らしただけの、オーストラリアとニュージーランドの子どもたちのごちそう。素朴なこの一皿は、どちらの国で生まれたのかさえはっきりしない。

  • 定番 ベジマイト・トースト オーストラリア 1923–1924 時B説B

    国民食として親しまれるベジマイト・トーストは、家庭で育まれてきた古い料理ではなく、醸造の副産物から一人の化学者が作り上げた工業製品ひとつをきっかけに、1920年代に始まった新しい食習慣である。

  • 定番 パブロバ オーストラリア 1926–1935 時B説C

    メレンゲを大きく焼き上げ、外はサクサク中はマシュマロ状に仕上げる白いデザート。「どちらが発明したか」をめぐってオーストラリアとニュージーランドが何十年も争ってきたが、有名な「1935年パース発明」の物語はすでに崩れている。

  • 定番 チキンパルミジャーナ オーストラリア 1970–1980 時B説B

    オーストラリアのパブでおなじみの「パーマ」——衣をつけて揚げた鶏肉にトマトソースとチーズをのせて焼いた一皿は、イタリアから直接伝わったように見えて、実際は二十世紀のアメリカを経由してこの国に根づいた。

  • 定番 フラットホワイト オーストラリア/ニュージーランド 1980–1990 時B説C

    『フラットホワイト』は豪州とニュージーランドのどちらが生んだのか——その発祥論争は国の誇りを賭けるほど白熱するが、語そのものはむしろ英国のほうが先に書き残していた。

  • 定番 アボカドトースト(ポーチドエッグ添え) オーストラリア 1993–? 時B説B

    世界的なブランチの定番アボカドトーストは、1993年にシドニーのカフェでビル・グレンジャーが「発明した」とよく語られる。だが、アボカドをトーストに乗せる食べ方はそれより1世紀以上前からあり、彼がしたのは発明ではなく、現行スタイルを広めたことである。

  • ココダ フィジー -900–1850 時C説C

    フィジーの国民食ココダを『今の姿のまま太古から続く土着料理』と紹介する話は正しくない。彩りに欠かせないトマトや唐辛子は新大陸の作物で、フィジーに届いたのは19世紀である。太古まで遡るのは、白身魚をココナッツと柑橘で和える土台の部分だけだ。

  • オタ・イカ トンガ -800–? 時C説B

    オタ・イカは、賽の目に切った生魚をココナッツミルクとライムの酸で和えるトンガの国民食である。だが特定の発明者や一つの発祥地を持つ料理ではなく、太平洋の島々に広く根づく汎ポリネシアの生魚料理の一角だ。

  • パウア ニュージーランド 1250–1350 時B説B

    ニュージーランドの名物として知られるパウアのフリッターは近代の姿にすぎない。この虹色に光るアワビは、マオリが数百年前から沿岸の岩場で採り続けてきた在来の海の幸である。

  • ハンギ ニュージーランド 1300–1800 時B説B

    地中に熱した石を敷き、蒸気で食材をじっくり火入れするマオリのアース・オーブン料理。『太古から変わらぬ伝統』として語られがちだが、今おなじみの豚肉や羊肉入りの姿は、じつは欧州との接触後にかたちを整えたものである。

  • ローストラム オーストラリア/ニュージーランド 1788–? 時B説B

    オセアニアの日曜の食卓を象徴するローストラムは、この土地で独自に生まれた料理ではなく、英国のサンデーローストがそのまま入植とともに海を渡り、牧羊国で国民食へと育った一皿である。

  • ダンパー オーストラリア 1800–1850 時C説C

    焚き火の熾きと灰の中で焼くだけの、開拓者のパン。名前の由来をめぐっては、方言説と火消し説がいまも並び立つ。

  • ポーク・アンド・プハ ニュージーランド 1801–1900 時B説B

    ニュージーランドの家庭料理ポーク・アンド・プハ(pork and pūhā)は、マオリの暮らしに深く根づいた一皿として語られることが多いが、実際にこの組み合わせが生まれたのは、ヨーロッパ人との接触を経た19世紀のことだった。豚肉も鉄鍋も、もとはこの土地にはなかったものである。

  • パラオア・パライ ニュージーランド 1814–1900 時B説B

    「古くからのマオリの伝統料理」として紹介されがちなパラオア・パライ(マオリの揚げパン)は、じつは宣教師の小麦とともに生まれた、ヨーロッパとの接触後の新しい食べものである。

  • ベーコンエッグパイ ニュージーランド 1840–? 時B説B

    ベーコンと卵をパイ生地で丸ごと包んだ、ニュージーランドの国民的なパイ。ピクニックや持ち寄りの定番として親しまれるこの一皿の原型は、英国の食卓から入植者とともに海を渡って来た。

  • オーストラリアン・ミートパイ オーストラリア 1850–1900 時B説C

    片手で持てる牛肉グレイビーのパイ。オーストラリアの『国民食』だが、ゴールドラッシュで生まれたという通説とは裏腹に、その姿は誰がいつ作ったとも言えないまま、ゆっくりと出来上がった。

  • カーペットバッグ・ステーキ オーストラリア 1850–1899 時B説C

    厚切りの牛ステーキに切り込みを入れ、安価な牡蠣を詰めて直火で焼くカーペットバッグ・ステーキ。ウェールズの牡蠣漁師が生んだという有名な起源話は当時の記録を欠き、誰がいつ最初に作ったのかは、いまも決着していない。

  • パイ・フローター オーストラリア 1890–1914 時B説C

    ミートパイを緑色の割りエンドウ豆スープに逆さに沈め、トマトソースをかけた南オーストラリアの名物、パイ・フローター。「誰が考えたか」を巡って複数の発祥話が並ぶが、いずれも独立した史料では確かめられず、真の考案者は今もわからない。

  • カスタードスクエア ニュージーランド 1918–1928 時B説B

    サクサクのパイ生地でとろりとしたカスタードを挟み、上面をアイシングとココナッツで飾るニュージーランドの国民的菓子。「この国で生まれた独自の発明」と語られがちだが、その原型ははるか昔、海の向こうのフランス菓子にさかのぼる。

  • ベジマイト オーストラリア 1923–1924 時A説B

    ベジマイトは、ビール造りで出る廃酵母から生まれた、オーストラリアの黒く塩気の強いペーストである。第一次大戦でイギリス産マーマイトの輸入が途絶えた穴を埋めるため、一人の化学者が数年がかりで独力で製法を編み出した工業製品で、誰がいつどこで作ったのかがはっきり記録に残る、生まれの謎のない食べ物だ。

  • ホーキーポーキー ニュージーランド 1940–? 時C説C

    ホーキーポーキーは1953年に一人の少年が思いつきで生んだ、という発明譚が語られる。だがその名も、混ぜ込む蜂の巣状の砂糖菓子も、ニュージーランドでは19世紀末から親しまれており、最初に作った一人を特定することはできない。

  • スパムチャーハン グアム 1944–? 時B説B

    グアムのスパムチャーハンは、太平洋戦争が運んできた缶詰肉と、島に古くから根づく米の食文化が戦後に溶け合って生まれた大衆料理である。特定の発明者も起源伝説もなく、最初の一皿を名指せる記録は残っていない。

  • チコロール オーストラリア 1951–? 時A説B

    中華の春巻きに似た太い揚げ物で、名前は「チキンロール」なのに鶏肉は入っていない――チコロールは中国の料理でもアジアの伝来品でもなく、考案者も年も場所も判明しているオーストラリア生まれの携帯スナックである。

  • ティムタム オーストラリア 1964–1964 時A説B

    チョコレートで挟んだビスケットに、ケンタッキーダービーを制した競走馬の名を借りたオーストラリアの菓子。ティムタムは1964年に一つの企業が世に出した商品で、その発売日も、考案者も、変わった名前の由来までもがはっきり記録に残っている。

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