守口漬は、細く長い守口大根を塩で漬けてから酒粕に漬け替えて作る漬物で、いまは愛知県の木曽川沿いが守口大根の主な産地になっている。名は河内国の守口という土地に由来し、正徳2年(1712年)の自序をもつ百科事典『和漢三才図会』に、守口から出る細い大根の香の物として名が見えるが、いつ誰が始めたのかを示す記録は見つかっていない。
3ゲート
- 食材入手ゲート
- 守口大根と酒粕と塩。日本で得られる
- 調理技術ゲート
- 塩漬けした守口大根を酒粕に漬け替える
- 場ゲート
- 家庭・店・製造元で今も作られ、売られている
成立年代と成立ゲート
主役食材(守口大根)の到来データが未登録(不明)のため、到来による下限(縦線)は表示していない。帯は成立年代を示す。
検証メモ: 細く長い守口大根を塩漬けにしてから、酒粕に何度も漬け替えて仕上げる漬物。いまは愛知県扶桑町を中心とする木曽川沿いで守口大根が育てられ、愛知県の名産として売られている。酒粕を洗い流して切り、ご飯や酒の肴にする。名は河内国の守口(いまの大阪府守口市)から来ており、正徳2年に自序が書かれた『和漢三才図会』が、守口から出る細い大根の香物を守口漬と名づけると記す。明治初めの図入りの事典は、大阪の宮ノ前大根を粕漬にしたものを守口漬と呼んでいる。いまの作り方は、明治時代に中京地域で活躍した実業家で料理人の山田才吉が考え出したものが基礎で、1882年に守口大根みりん漬として売り出して評判になった、と農林水産省は紹介している。豊臣秀吉が守口で食べて名づけたという話もあるが、記録では確かめられていない。
起源説
未確定
★主 河内国守口の細い大根の香物 B
河内国茨田郡の守口(いまの大阪府守口市)から出る細い大根の香物が、守口漬と呼ばれた。正徳2年(1712年)に自序が書かれた百科事典『和漢三才図会』が、守口の名所の条にこの名を記しており、遅くともこの頃にはあった。明治初めの図入りの事典は、大阪の宮ノ前大根を粕漬にしたものを守口漬と呼ぶ。いまの作り方(塩漬けののち酒粕に漬け替え、みりんかすと砂糖で仕上げる)は、明治時代に中京地域で活躍した実業家で料理人の山田才吉が考え出したものが基礎で、1882年に守口大根みりん漬として売り出された、と農林水産省の伝統食の紹介ページは書く。いまは愛知県扶桑町を中心とする木曽川沿いで育てた守口大根で作られ、愛知県の名産として売られている。1712年より前のいつ始まったかを示す記録は見つかっていない。
豊臣秀吉が守口で名づけたとする説 C
豊臣秀吉が大阪の守口で細長い大根の漬物を食べ、守口漬と名づけたという言い伝え。農林水産省の伝統食の紹介ページは、守口大根という名の由来には諸説あるとしたうえで、この話を、秀吉が守口漬と名づけたことから大根が守口大根と呼ばれるようになった、という形で挙げる(諸説とするのは守口大根の名についてで、守口漬の名についてではない)。秀吉の時代の記録でこの話を確かめたものは見つかっておらず、守口漬の名を記す最も早い記録の『和漢三才図会』も秀吉には触れない。
- 言及 農林水産省「守口漬(愛知県)」にっぽん伝統食図鑑 重み3
解説
守口漬は、細く長い守口大根を塩で漬け、それを酒粕に漬け替えて仕上げる漬物である。愛知県の観光サイトが紹介する製造元では、木曽川のほとりの契約農家が育てた守口大根を、二度の塩漬けと二度の酒粕漬けを重ねたうえで仕上げの漬けにかけている。食べるときは酒粕を洗い流して切り、ご飯のおかずや酒の肴にする。
守口大根の栽培は、いまは愛知県の扶桑町を中心とする木曽川沿いで行われ、農林水産省によれば全国の生産量の約7割をこの町が占める。農林水産省は守口漬を愛知県の伝統の食として紹介している。先の製造元の守口漬は、愛知県大口町の工場直売店のほか、名古屋市内の地下街や百貨店、中部国際空港でも買える。
酒粕に漬ける漬物は粕漬と呼ばれ、瓜を酒粕に漬ける奈良漬も同じ粕漬の仲間である。守口漬と奈良漬のどちらが先にできたのかは、記録からは言えない。
検証ストーリー
守口漬の名が見える古い記録は、江戸時代の中ごろの百科事典にある。寺島良安が編み、正徳2年(1712年)に自序を書いた『和漢三才図会』は、河内国茨田郡の名所を並べた条で守口を取り上げ、この地は細い大根を産し、その香の物を守口漬と名づける、と記している。国立国会図書館がデジタル化した資料を全文検索できる範囲では、守口漬の名を記した最も古い記録で、遅くともこの頃には、守口の細い大根の漬物がこの名で呼ばれていた。ただし、この条は「香物」と書くだけで、何に漬けたものかには触れていない。
酒粕に漬けた守口漬が書かれているのは、明治の初め(書誌では明治9年=1876年)に大阪で出た図入りの事典『画引博物図註解』である。大阪の宮ノ前大根は指ほどの太さで長さ二尺ほどあり、これを粕漬にしたものを守口漬という、と記している。明治の初めには、細い大根の粕漬が守口漬と呼ばれていた。
いまの守口漬の作り方は、明治時代に中京地域で活躍した実業家で料理人の山田才吉が考え出したものが基礎になっている、と農林水産省の伝統食の紹介ページは書く。塩漬けののち酒粕に漬け込み、最後にみりんかすと砂糖で仕上げる作り方で、1882年に守口大根みりん漬として売り出したところ評判になり、やがて略して守口漬と呼ばれるようになったという。
名の由来については、豊臣秀吉が大阪の守口で細長い大根の漬物を食べ、守口漬と名づけたという話も伝えられている。農林水産省の伝統食の紹介ページは、守口大根という名の由来には諸説あるとしたうえで、秀吉が守口漬と名づけたことから大根も守口大根と呼ばれるようになった、という形でこの話を挙げるが、もとになった記録は示していない。守口漬の名を記した『和漢三才図会』の条も、秀吉には触れていない。
守口漬がいつ、誰の手で始まったのかを示す記録は、見つかっていない。
検証ログ 追記専用の監査証跡 8 件・押すと開く
| 日付 | 結果 | 確度 | 主張 / 出典 | 更新者 |
|---|---|---|---|---|
| 2026-11-04 | 支持 | C→B |
正徳2年(1712年)に自序が書かれた『和漢三才図会』が、河内国茨田郡の守口の条に、細い大根を出し、その香物を守口漬と名づけると記す。いま見つかったなかで、守口漬の名を記した最も早い記録。
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研磨係 |
| 2026-11-04 | 支持 | B→B |
🚫 この記述は後の検証で訂正された(→ 該当行へ) 明治初めの図入りの事典が、大阪の宮ノ前大根は指ほどの太さで長さ二尺ほどあり、これを粕漬にしたものを守口漬というと記す。酒粕に漬ける今の作り方が明治初めにはあったことを示す。
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研磨係 |
| 2026-11-04 | 不明 | C→C |
🚫 この記述は後の検証で訂正された(→ 該当行へ) 農林水産省の伝統食の紹介ページは、名の由来は諸説あるとしたうえで、豊臣秀吉が大阪の守口で細長大根の漬物を食べて守口漬と名づけたと紹介するが、記録は示していない。名を記す最も早い記録の『和漢三才図会』も秀吉に触れず、裏づけは見つからない。 出典:
農林水産省「守口漬(愛知県)」にっぽん伝統食図鑑 重み3
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研磨係 |
| 2026-11-04 | 支持 | B→B |
いま食べられていることの確認: 愛知県の観光サイト Aichi Now が、大和屋守口漬総本家の工場直売店(愛知県大口町)で守口漬を売り、名古屋市内の地下街・百貨店・中部国際空港でも買えると記す(2026-11-04確認)。農林水産省の紹介ページも、守口大根の栽培は扶桑町が中心で全国生産量の約7割と記す。
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研磨係 |
| 2026-11-04 | 支持 | B→B |
明治初めの図入りの事典が、大阪の宮ノ前大根は指ほどの太さで長さ二尺ほどあり、これを粕漬にしたものを守口漬というと記す。明治の初めに、細い大根の粕漬が守口漬と呼ばれていたことを示す。いまの作り方(塩漬けののち酒粕に漬け替え、みりんかすと砂糖で仕上げる)がこの頃にあったかは、この記述からは言えない。
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研磨係 |
| 2026-11-04 | 支持 | B→B |
農林水産省の伝統食の紹介ページは、名古屋では江戸時代の末ごろに一部の料理屋が瓜や大根をかす漬け(奈良漬)にして客に出していたという記録があるとし、いまの守口漬の作り方は明治時代に中京地域で活躍した実業家で料理人の山田才吉が考え出したものが基礎だと書く。江戸時代末の記録が何かは示していない。 出典:
農林水産省「守口漬(愛知県)」にっぽん伝統食図鑑 重み3
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研磨係 |
| 2026-11-04 | 支持 | B→B |
同じ頁は、塩漬けののち酒かすに漬け込み、最後にみりんかすと砂糖で仕上げる製法を、1882年に守口大根みりん漬として売り出して評判になり、のちに略して守口漬と呼ばれるようになったと書く。いまの作り方の守口漬が売られた年として出典に出るのは1882年で、明治初めの事典の『粕漬にした宮ノ前大根』とは作り方の記述が別である。 出典:
農林水産省「守口漬(愛知県)」にっぽん伝統食図鑑 重み3
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研磨係 |
| 2026-11-04 | 不明 | C→C |
農林水産省の伝統食の紹介ページは、守口大根という名の由来には諸説あるとしたうえで、豊臣秀吉が大阪の守口で細長大根の漬物を食べて守口漬と名づけたことから守口大根と呼ばれるようになったと紹介するが、記録は示していない。諸説とするのは守口大根の名についてで、守口漬の名の由来を諸説とする書き方ではない。守口漬の名を記す最も早い記録の『和漢三才図会』も秀吉に触れず、裏づけは見つからない。 出典:
農林水産省「守口漬(愛知県)」にっぽん伝統食図鑑 重み3
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研磨係 |
構成素材
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