ジャーマン・ブレッド(German Bread)は、1889年に米国で出た家庭向けの料理書に載る、バターと砂糖とシナモンをのせて天板で焼く甘いパンである。ところが1912年の米国の料理書で「German」を冠したパンは、茹でたジャガイモで種を起こして角型で焼く食パンで、「ドイツの」という同じ名の下に中身の違うパンが並んでいる。
3ゲート
- 食材入手ゲート
- 小麦粉・牛乳・砂糖・ラードかバター・イースト・シナモン(1889年の料理書)=19世紀の米国の家庭で手に入る材料で、特定の食材の到来に縛られない
- 調理技術ゲート
- 牛乳とイーストで種を起こし、砂糖と油脂と小麦粉で柔らかい生地にして半インチの厚さに伸ばし、指でくぼみを付けてバターを置き、砂糖とシナモンを振って二度目の発酵ののちオーブンで焼く
- 場ゲート
- 家庭向けの料理書のパンの部に載る
成立年代と食材入手ゲート
食材入手(1608年・在地/到来)が最後に揃った条件で、成り立ちうる最も早い年はその条件が揃った年になる。成立年代の帯は、その年以降にある(場ゲートは年に乗らない構造ゲート)。
- 食材入手(流通/在地/加工の経路を内包)
- 太線=最後に揃った条件(最も遅い=成立を縛る)
- 細線=既に充足
- 場ゲートは年に乗らない構造ゲート(図外)
検証メモ: 米国の料理書で『German Bread』の名で載るパン。1889年にセントルイスで出た『The White House Cook Book』は、牛乳・砂糖・ラードかバター・イーストの柔らかい生地を伸ばして天板に入れ、指でくぼみを付けてバターを置き、砂糖とシナモンを振って焼く甘いパンとして載せる。米国の料理書で『German』の名が付くパンは中身が一つに決まらず、1912年の『German Potato Bread』は茹でたジャガイモで種を起こす角型の食パンになっている。呼び名の国ドイツに全く同じものがあるかは分かっていない。
起源説
未確定
★主 遅くとも1889年の米国の家庭向け料理書に『German Bread』の名で載っていた(始まりは未特定) B
1889年にセントルイスで出たギレット(F. L. Gillette)とツィーマン(Hugo Ziemann)の『The White House Cook Book』(扉の著作権表示は1887年と1889年)は、パンの部に『German Bread』の見出しで…続きを読む
1889年にセントルイスで出たギレット(F. L. Gillette)とツィーマン(Hugo Ziemann)の『The White House Cook Book』(扉の著作権表示は1887年と1889年)は、パンの部に『German Bread』の見出しで、牛乳・砂糖・ラードかバター・イーストの柔らかい生地を半インチの厚さに伸ばして天板に入れ、指でくぼみを付けてバターを置き、砂糖とシナモンを振って二度目の発酵ののち焼くパンを載せる。米国の料理書で『German』の名が付くパンは中身が一つに決まらず、1912年にフィラデルフィアで出たローラー『Sandwiches』の『German Potato Bread』は、茹でたジャガイモで種を起こして角型で焼く食パンになっている。1887年の初版にこの条があったか、呼び名の国ドイツに全く同じものがあるか、誰がいつこの名で呼び始めたかは分からない
- 言及 S. T. Rorer, Sandwiches, Revised and Enlarged Edition (Philadelphia: Arnold and Company, Copyright 1894, 1912)、Project Gutenberg 電子書籍 #29329(HTML 版・原本の頁番号つき) 重み5
- 支持 F. L. Gillette and Hugo Ziemann, The White House Cook Book (St. Louis: T. B. Jackson, Copyright 1887, 1889)、Getty Research Institute 所蔵本・Internet Archive gri_33125015769694 の文字起こし 重み5
解説
指のくぼみにバターを置く
1889年にセントルイスの出版社 T. B. Jackson から出た、ギレット(F. L. Gillette)とツィーマン(Hugo Ziemann)の『The White House Cook Book』は、パンの部に「GERMAN BREAD」の見出しを立てている。材料は、よく沸かした牛乳1パイントに、砂糖をティーカップ1杯、上等なラードかバターを大さじ2杯、パン屋のイーストをティーカップ3分の2杯である。
牛乳とイーストで種を起こし、砂糖と油脂と小麦粉を加えて柔らかい生地にする。これを半インチほどの厚さに伸ばして大きな天板二枚に入れ、表面に指で十二ほどのくぼみを付けて、それぞれに小さなバターのかけらを置く。その上から、砂糖大さじ1杯にシナモン小さじ1杯を混ぜたものを全体に振る。もう一度膨らませてから、オーブンで焼く。
ジャガイモで種を起こす「German」のパン
1912年にフィラデルフィアで出た S. T. ローラーの『Sandwiches』の改訂増補版は、「German Potato Bread」という名のパンを載せている。ジャガイモ一個を柔らかく茹でて裏ごし、ぬるま湯半パイントと砂糖小さじ1杯を加え、小麦粉1カップとイースト1カップを混ぜて種を起こす。この種を生地に混ぜて角型で焼くので、出来上がるのは四角い食パンである(ジャーマン・ポテト・ブレッド)。
検証ストーリー
1889年にセントルイスで出た『The White House Cook Book』の扉には、1887年と1889年の二つの著作権の年が刷られている。この本の初版は1887年に出ているが、その初版にジャーマン・ブレッドの条がすでにあったのかどうかは分かっていない。言えるのは、遅くとも1889年には、この名の甘いパンが米国の家庭向けの料理書に載っていたということである。
名前はドイツを指している。けれども、ドイツに全く同じパンがあるのかどうかは分かっていない。米国の料理書の中でも、「German」の名が付くパンは一つの姿に定まらない。1889年の本では、指のくぼみにバターを置き、砂糖とシナモンを振って天板で焼く甘いパンだった。1912年の本では、茹でたジャガイモで種を起こし、角型で焼く食パンになっている。
誰がいつ、このパンをジャーマン・ブレッドと呼び始めたのかを語る記録は見つかっていない。
検証ログ 追記専用の監査証跡
| 日付 | 結果 | 確度 | 主張 / 出典 | 更新者 |
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| 2026-10-21 | 支持 | C→B |
1889年にセントルイスで出た『The White House Cook Book』(著作権表示1887年・1889年)のパンの部に『German Bread』があり、甘い発酵生地を伸ばして指でくぼみを付け、バターを置いて砂糖とシナモンを振り、二度目の発酵ののち焼く。遅くともこの年には米国の料理書にこの名のパンが載っていた
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研磨係 |
| 2026-10-21 | 支持 | B→B |
1912年のローラー『Sandwiches』は『German Potato Bread』の名で、茹でたジャガイモで種を起こす角型の食パンを載せる。米国の料理書で『German』の名が付くパンは、1889年の甘い天板焼きと1912年のジャガイモ入りの食パンとで中身が一つに決まらない
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研磨係 |
構成素材
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