食材から辿る / 在来

マスタード 素材 時期 C検証済

成立年代 -9000〜

マスタードが、いつ・どこで食べ物として成立し、各地へどう伝わったかをまとめています。 原産地での成立を3ゲート(食材入手・調理技術・場)で示し、その後の各地への到来を記録でたどります。

旧世界在来のアブラナ科カラシ類の種子。種子食用の最古級の物証は北シリア・ジェルフ・エル・アフマル(PPNA)の炭化『種子ケーキ』=前9200〜前8700年ごろ(Willcox 2002)。ただしこれは最古の証拠であって食用開始そのものの年ではない(実際の開始はこれ以前でありうる)。南アジアではハラッパー期(前2300年ごろ)からカラシナ B. juncea を在地栽培(Achaya 1994)。挽いた種子を果汁・酢で練るペースト調味料としての形は古代ローマ(mustum ardens)で確立し、以後の欧州のマスタードへ連続する

3ゲート

食材入手ゲート
在来(採取・在地栽培)。カラシ類は旧世界在来で外来到来による律速が無い=西アジア〜地中海原産の白カラシ Sinapis alba・黒カラシ Brassica nigra、南アジア在来のカラシナ Brassica juncea。北シリアのジェルフ・エル・アフマル(PPNA)台所址で細かく挽いた Brassica/Sinapis 種子の炭化『種子ケーキ』が石臼上から出土し、前9200〜前8700年ごろに種子が食用に供されていたことを示す(Willcox 2002)。南アジアではハラッパー期(前2300年ごろ)から B. juncea を在地栽培(Achaya 1994)。到来台帳: 在来@中東・北アフリカ -9000(幅 -9224〜-8753)/在来@南アジア -2300
調理技術ゲート
種子を石臼・すり鉢で挽き砕く(粉砕)。カラシ種子は無傷では辛くならず、砕いて水分と合わさることで配糖体(シニグリン/シナルビン)が酵素ミロシナーゼで分解しアリルイソチオシアネート=辛味を生じる。ペースト調味料としての『マスタード』は挽いた種子をブドウ果汁(mustum)や酢で練る古代ローマの用法(語源 mustum ardens=燃える果汁)で、コルメラ/パッラディウスの農書に調製法があり、南アジアでは種子を油で弾けさせる/すりつぶして辛子油とする用法が並行する
場ゲート
原産地(西アジア〜地中海・南アジア)では採取・在地栽培による入手と同時に食用が成立し、場ゲートは退化する。特定の階層・施設を要さない大衆の在来食材

各地への伝来 3

各地で食べ物として定着した時期の記録です。地域によっては、それに先立つ物理的な到来(観賞用など、食用より前の前史)が含まれることがあります。

  • 前9224〜前8753頃 中東・北アフリカ 在来
  • 前2300頃 ベンガル 在来
  • 前2300頃 南アジア 在来在地栽培

マスタードの到来が成立を縛った料理 1

マスタードが届く前には成り立たなかった料理です。到来年が、その料理の物理的な下限になります。

マスタードを使う料理 1

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