食材から辿る / 旧大陸
割りエンドウ 素材 時期 C検証済
割りエンドウが、いつ・どこで食べ物として成立し、各地へどう伝わったかをまとめています。 原産地での成立を3ゲート(食材入手・調理技術・場)で示し、その後の各地への到来を記録でたどります。
新石器(前8500〜8000年ごろ): レバント〜近東でエンドウ Pisum sativum が新石器の創始作物として栽培化され、乾燥豆として保存・利用された(Smýkal et al. 2014)。割りエンドウは乾燥エンドウの外皮を除き子葉の合わせ目で二分割した加工形で、臼・手挽き・篩による在来の乾式加工=栽培化直後から技術的に可能なため、下限は食材入手(栽培化)で律速され前8000年ごろを取る。ただし『皮を除いて割った乾燥エンドウ』を名指す史料は古代には乏しい: 最古級の間接的裏づけは古代ギリシアの乾燥エンドウのポタージュ ἔτνος(etnos。アリストパネス『鳥』前414年ごろ・『騎士』前424年で街頭売りの庶民食として言及=初出年 前5世紀)で、split pea の形態を明示する用法は中世ヨーロッパの pease pudding 以降に定着する。文献初出は発祥でなく年代窓の上限としてのみ用い、成立年は3ゲート充足の最遅年=栽培化年で取る
3ゲート
- 食材入手ゲート
- 在来(原産地レバント〜近東): エンドウ Pisum sativum は小麦・大麦・レンズ豆等と並ぶ西アジア新石器の創始作物で、レバント〜肥沃な三日月地帯で前8500〜8000年ごろ栽培化された(Smýkal et al. 2014・考古植物学+古遺伝学+歴史言語学の三角測量)。原産地では外来到来の律速がなく、乾燥豆(pulse)として長期保存でき通年入手可。割りエンドウはその乾燥豆を脱皮・二分割した加工形(派生食材: 割りエンドウ ← エンドウ豆 +乾燥豆の脱皮割砕)
- 調理技術ゲート
- 乾燥+脱皮+二分割: 完熟種子を乾燥させ、外皮を除いて子葉の自然な合わせ目で二つに割る(手作業または機械)。石臼・手挽き・搗き臼と篩による在来の乾式加工で、穀類・豆類の脱穀脱皮と同じ道具立て。皮と胚芽側を除くため水戻し不要で早く煮崩れ、ダル/ポタージュ状に仕上がる
- 場ゲート
- 栽培地=食卓。保存の効く庶民の主食用豆で、原産地では入手(栽培・乾燥・脱皮割砕)と同時に食用が成立する家庭・大衆の在来食。場ゲートは退化(宮廷・専門店等の場を要さない)
各地への伝来 2
各地で食べ物として定着した時期の記録です。地域によっては、それに先立つ物理的な到来(観賞用など、食用より前の前史)が含まれることがあります。
- 前8500〜前8000頃 レバント 在来加工
- 1834頃 モーリシャス 植民地交易
割りエンドウの到来が成立を縛った料理 2
割りエンドウが届く前には成り立たなかった料理です。到来年が、その料理の物理的な下限になります。
割りエンドウを使う料理 1
- エルテンスープ オランダ1600年ごろ