食材から辿る / 在来
ローズウォーター 素材 時期 C検証済
ローズウォーターが、いつ・どこで食べ物として成立し、各地へどう伝わったかをまとめています。 原産地での成立を3ゲート(食材入手・調理技術・場)で示し、その後の各地への到来を記録でたどります。
7世紀後半〜9世紀(イラン/イスラーム圏)。在来のダマスクローズ(Rosa × damascena)の花弁をアランビックで蒸留して得る芳香蒸留水=ゴラーブ(golāb)。バラの粗蒸留の開始は7世紀後半とされ(Boskabady et al. 2011)、文献上の遅くとも下限は9世紀=アル=キンディー『香料の化学と蒸留の書』が芳香蒸留水の処方群を記す。以後16世紀までイランが主産地・主要輸出元。※通俗的な『イブン・スィーナー(11世紀)が水蒸気蒸留でローズウォーターを発明』説は、9世紀のアル=キンディーの記録より後で成り立たない(発明譚でなく改良の伝承)
3ゲート
- 食材入手ゲート
- 在来: ダマスクローズ(Rosa × damascena)の花弁。中東原産でイランが原産地の一つ、カーシャーン/ファールス/アゼルバイジャンで在地栽培され外来到来の律速なし(Boskabady et al. 2011)
- 調理技術ゲート
- 律速: 蒸留(アランビックによる芳香蒸留水の製造)。花弁を水と共に加熱し留出液を集める技術が成立して初めてローズウォーターが存在しうる。イランでの成立窓は675〜900年(粗蒸留の開始=7世紀後半/文献上の最古の記録=9世紀アル=キンディー)
- 場ゲート
- 原産地イランでは入手(在地栽培のバラ+蒸留加工)と同時に食用・薬用・香料用が成立
各地への伝来 1
各地で食べ物として定着した時期の記録です。地域によっては、それに先立つ物理的な到来(観賞用など、食用より前の前史)が含まれることがあります。
- 675〜900頃 イラン 技術発明加工