食材から辿る / 在来
ロブスター 素材 時期 C検証済
ロブスターが、いつ・どこで食べ物として成立し、各地へどう伝わったかをまとめています。 原産地での成立を3ゲート(食材入手・調理技術・場)で示し、その後の各地への到来を記録でたどります。
3ゲート
- 食材入手ゲート
- 北大西洋沿岸に在来のロブスター(Homarus)の採取=先史よりの沿岸漁撈(採取は食用成立と同年)
- 調理技術ゲート
- 加熱(茹で/海藻蒸し焼き=クラムベイク)による可食化
- 場ゲート
- 北大西洋沿岸社会の食(在来)
ロブスターはどこから広がったか
ロブスター(Homarus)は北大西洋の岩場に棲む甲殻類である。育てるものでも飼うものでもなく、岩の隙間から捕るものだった。北アメリカの東岸でも、ヨーロッパの西岸でも、海辺に人が住み着いたときからこの大きな甲殻類は食べられている。干潮の岩場に手を入れれば獲れる獲物で、必要な道具はごく簡単なもので足りた。
食べるのに要るのは火だけである。茹でるか、蒸すか、焼くか。ニューイングランドの沿岸では、浜に掘った穴に焼けた石を敷き、その上に海藻をかぶせて蒸し焼きにするやり方が古くからあった。海藻の水分が湯気になって殻の中まで通り、身に火が入る。この浜の蒸し焼きは、のちにクラムベイクと呼ばれる集まりの形として残った。
浜の獲物から、料理の材料へ
ニューイングランドの海岸では、17世紀の初めにはロブスターが日常の食材として揚がっていた。文字に書きとめられた料理として現れるのは、それよりずっと後になる。19世紀の前半のアメリカの家庭向け料理書には、茹でて冷やしたロブスターを和えるサラダが載るようになり、1829年の版がその古い例にあたる。やがてこの冷たいサラダは、浜の集まりやピクニックの一品となり、パンに挟む形も現れた。
いつから食べられていたのかを一点で示すことはできない。北大西洋の沿岸に暮らした人々にとって、ロブスターは先史からの獲物であって、記録に残るのは食べ方が書きとめられるようになってからのことである。
各地への伝来 1
各地で食べ物として定着した時期の記録です。地域によっては、それに先立つ物理的な到来(観賞用など、食用より前の前史)が含まれることがあります。
- 前500〜前330頃 ニューイングランド 在来
ロブスターを使う料理 2
- オマール海老の炊き込みご飯 スペイン1592年ごろ
- ロブスターロール 米国メイン/ニューイングランド1920年ごろ