食材から辿る / 在来
フダンソウ 素材 時期 C検証済
フダンソウが、いつ・どこで食べ物として成立し、各地へどう伝わったかをまとめています。 原産地での成立を3ゲート(食材入手・調理技術・場)で示し、その後の各地への到来を記録でたどります。
葉を食べる葉用ビーツ(Beta vulgaris subsp. vulgaris の cicla 群=フダンソウ/スイスチャード)。野生祖先は地中海〜大西洋沿岸の海浜ビーツ Beta vulgaris subsp. maritima で、古代の地中海世界では同種の利用は根でなく葉が本体だった(根の薬用は別)。確証記録はテオプラストス『植物誌』1.3.3・1.6.5(前4〜3世紀)が beet を栽培葉菜として列挙する箇所が最古級=初出年。次いでディオスコリデス『薬物誌』(1世紀)が詳述し、バビロニアのラビ・フナ/ヒスダ(4世紀)の言としてタルムードに煮た beet 料理が現れる。栽培化を前2千年紀に置く見解もあるが年代の確証はないため、下限は保守的に前300年(幅 前2000–前300)とし、初出年=発祥年ではない。なお七十人訳聖書の『beet』は Goldman ら(2021)によれば誤訳(『罠にかかったカモシカ』)で、葉用ビーツの前3世紀の証拠には使えない
3ゲート
- 食材入手ゲート
- 在来(地中海沿岸原産の海浜ビーツ Beta vulgaris subsp. maritima の葉を利用する葉用群)。葉利用は根の肥大選抜のような育種を要さず、野生段階から在地で採集・栽培できる=在来/在地栽培。確証記録はテオプラストス『植物誌』(前4〜3世紀)の栽培葉菜としての列挙で、遅くともこの頃には存在した。幅 前2000–前300年(地中海・在来)。姉妹の根用群=ビーツは肥大根の選抜(1517年の図像が最古の記録)を要し、こちらより約1800年遅い
- 調理技術ゲート
- 茹で・煮込み等の単純な加熱のみ
- 場ゲート
- 原産地・地中海の菜園と家庭の食卓。食材入手(在地での採集・栽培)と同時に食用が成立するため場ゲートは退化(venue=菜園・家庭の食卓 / stratum=一般 / community=一般)
各地への伝来 1
各地で食べ物として定着した時期の記録です。地域によっては、それに先立つ物理的な到来(観賞用など、食用より前の前史)が含まれることがあります。
- 前300頃 地中海 在来在地栽培
フダンソウを使う料理 1
- ソパルニク クロアチア1200年ごろ