食材から辿る / 在来
ブリンザ 素材 時期 C検証済
ブリンザが、いつ・どこで食べ物として成立し、各地へどう伝わったかをまとめています。 原産地での成立を3ゲート(食材入手・調理技術・場)で示し、その後の各地への到来を記録でたどります。
カルパチア〜バルカンの羊乳フレッシュチーズ。ヴラフ(ワラキア)系牧羊民が14〜17世紀にバルカンからカルパチア弧を北上して移牧(salaš)と羊乳チーズ製法を広めた過程で成立。語の記録はドゥブロヴニク1370年(brençe=『ヴラフのチーズ』)、ハンガリー王国のスロバキア諸県1470年、ポーランド側ポドハレ1527年=いずれも初出年(遅くともこの年に存在)であって発祥年ではない。窓は1370–1470年。現行スロバキア型の塗れる質感は1787年デトヴァのブリンザ工場以降の加工技術の変化。2008年に『Slovenská bryndza』がEUのPGIに登録
3ゲート
- 食材入手ゲート
- 羊乳の入手(在来・旧大陸)。カルパチア山地の移牧羊(ヴァラシュカ種等)から搾る生乳で、羊乳自体は旧大陸で前7千年紀に乳利用が確認される在来資源。律速は乳そのものでなく、専業的な山地移牧(salaš)と羊乳チーズ製法がヴラフ系牧羊民とともにカルパチアへ及んだこと(到来台帳: ブリンザ@スロバキア 1470年・幅1370–1470・経路=交易路/ヴラフ移住)
- 調理技術ゲート
- レンネットで羊乳を凝固させ塊チーズ(hrudkový syr)を作り、これを砕いて塩を加え練る=ブリンザ。移牧小屋 salaš の在来技術で、乳・レンネット・塩以外に特別な設備を要さず成立下限を新たに課さない。なお現行スロバキア型の均質で塗れる質感は、1787年デトヴァのヤーン・ヴァガチの集荷・樽(gelety)詰め工場と、20世紀初頭テオドル・ヴァロの塩水添加による後年の改良
- 場ゲート
- 山地の移牧小屋 salaš(羊飼いの季節放牧・4〜11月)での自家生産・自家消費と近郷での消費。原産地では入手(搾乳)=加工=食用が同時に成立するため場ゲートは退化し、食材入手と同年。18世紀末以降は樽詰めでハプスブルク帝国の都市市場へ流通
各地への伝来 1
各地で食べ物として定着した時期の記録です。地域によっては、それに先立つ物理的な到来(観賞用など、食用より前の前史)が含まれることがあります。
- 1370〜1470頃 スロバキア 交易路
ブリンザを使う料理 1
- ブリンゾベー・ハルシュキ スロバキア1780年ごろ